「そういえば冴って、

結婚したんじゃなかったっけ?」

「あ、うん、別れちゃってさ

 家に戻ってるんだよね。」

「へえそうかあ」

なんかちょっと雰囲気暗くなって、

気まずい

「ああ、でも、わかるわかる、

何度あたしも旦那と別れようと思ったかしれないよ。」


「そうなんだ。」


「いいなあ実家。

 私も実家暮らしに戻りたいなあ。」

「そしたら自由だもんね。

 今日みたいな日だって出掛けるのになんも問題ないものね。」

「私なんか夕食作ってから出てきたんだよ。

 いいなあ、うらやましい。」

「ふうんじゃあ離婚しちゃう?」


「え?」

「そうねえ、あはは。」


本気じゃないんでしょ?

結局は幸せなのよみんな。

 出戻りの辛さは、なってみなきゃわからんさ

まあ、もともとそんな気もないくせに……

「冗談よ冗談」

あははは

「そうねえ冗談だよね…」

なんだかいっぺんに彩を失った女子会。

その後も続く女子トークに、

私はもう、ただへらへらとやり過ごし、

みんなでほろ酔い上機嫌になって

さっきの気まずさなんて吹っ飛んで、

カラオケ行って馬鹿騒ぎ。

そして、

それぞれが家族のもとへ帰って行った。

みんなをへらへらと見送ってから、

なんだか急にむなしくなった。

帰る家はあるけど、どうせ私は居候だ

帰るべき家とは言い難い。