雪莉(side)



冬紀…大丈夫かな…。




〝ニィ?〟




「うんん。

大丈夫だよ…」




尾咲狐が肩に乗って心配そうに顔を見てきた。



少し頭を撫でた。



あれ?



この子の目真っ黒じゃなかったっけ?



確かに真っ黒だったはずの尾咲狐の目は今は私と同じ桜色の目をしていた。



そして首元には桜の花の文様が桜色でできていた。




「不思議…」




それより、声の主を見つけないと…。



でも全然見つからない。



あと探してないのは…屋上って所。



どうやっていくのかな…?



屋上ってぐらいだから階段を登るのかな…?




「とにかく階段を上ろ〜!」




登ること三分。



案外近くだった…。




「誰かいますか〜?」




…。



ですよね。




「誰?」




「っ?!」




誰かいる…。




隠れてて…!




そう尾咲狐にアイコンタクトをした。



尾咲狐は頷いてまた尻尾に入った。




私はそっと探しに出た。



桜九尾の特徴は夜眼で暗いところがよく見える所と耳が凄くいいってこと。



ガチャン



っ?!



さっき小さくだけど鎖がこすれる音が聞こえた。




「何処?」




「助け…て…」




「っ!!

何処?!」




っ見つけた!



でも、この鎖…封印されてる?!




「待ってて!!」