僕は近くのプールサイドに入った。




〝お前バカか?

水を使う俺にとって水場は

お前の負けを意味するぞ〟




「あのさぁー。

見てなかったの?

僕の相性」




絶対バカだ。



面倒くさいこいつ。



相手は人の話も聞かず水を使って投げてきた。



同じ手は食わないって。




「菊一氷沙(kikuithihyousa)」




僕の周りから菊の形をした氷が三つ出てきた。



それを窮鼠に向って投げた。



案の定窮鼠は全て止めた。



でも積みが甘い。



僕はそのまま砕かれた氷の粒に紛れて窮鼠を斬った。



切り口から刀の氷が出てそれはやがて体内に入り身体の中身まで凍らす。




「バイバイ」



僕はそのまま窮鼠をプールに落とした。



そしてフゥーと口元に手を当てて息を吹きかけた。



当たり前だけどプールはカチンコチンになった。




「疲れた…」




いつもの癖で手をパンパンと叩いた。



雪莉を追いかけないと…。