桜ノ雫 ~記憶編~

〝っクックック。

謝罪??

そんなものあるわけがなかろう?

桜九尾は不治の病を直し不老不死に

なるという激レアじゃないか。

やれ!〟




この窮鼠の笑い方…どこかで…。




「冬紀!」




私は苦しんでいる冬紀を助けるために後ろの大きな九本の尻尾のうち一つから刀を取り出した。




シャリン♪




私の刀には綺麗な澄んだ音のする鈴が付いていて鞘の栗形に桜の形をした綺麗な桜華石(oukaishi)が筆毛の様な糸の束と一緒にキーホルダーで付いている。




私は走り出した。



遊女みたいなたくさんの重ね着着物に前でリボン結びの帯、高下駄で動きにくいというイメージがあるけど…。



なぜか動きやすい…。




シャリン♪




私は冬紀の蔓を斬った。



冬紀はふらつく足ですぐに立ち上がりそ場から逃げた。



間に合ってよかった…。




〝ニィ♪〟




嬉しそう…♪



でも危ないな…。




「尾咲狐さん♪

私の尻尾に入っててくれると

守りやすくて助かるんだけど…」