『尾咲狐は妖怪の中でも珍しく、

その血肉には不老不死にするという

言い伝えがあるんだ。

桜九尾も珍しい。

桜九尾の住みついた木には年中絶えず

桜が咲き続ける。

故に桜九尾は不老不死の源だとか、

どんな病でも直すと言われているんだ』



『…凄い。

尾咲狐はともかく桜九尾の事まで

私より詳しい♪』




『尾咲狐と雪莉が似ているのは珍しい

だけじゃない。

魅惑の美しさや、一度心を開いたら

どんな生き物よりも可愛いところが

似ている』




『っ///

そんなことばっかり言ってると私、

自惚れちゃうよ?///』



私の記憶??



男の人はやっぱり…遥…。



でもいつ…?



私が映っているから認めざるおえないけど映っていなかったら私の記憶かさえわからないような記憶…。




「……り、

……莉…!」




私は何を忘れているの?




「雪莉!」




「?!

は、はい!?」




「君ボケすぎ。

何回名前呼んだと思ってんのさ」




え?




「ごめんね…」




自分の世界に入ってた…。




「それよりこの子どうする?

すごく警戒してるみたい…ていうか

怯えてる」