十分後…。



「雪莉〜!

そっち行ったよ!」




「うん!」




私は急いで術の構えをした。



ちょっと強引な技だからあんまり使いたくはないんだけど…。




「…リング」




胸の前でサッカーボール位の桜色のリングを作った。




「行って!」




私がそう言うとリングは妖怪の方に飛んで行った。



そして妖怪を囲むと妖怪をちょうど囲むくらいの球体になった。




〝ニィ?!!〟





リングが捕らえたのは大きな二つの尻尾があるサッカーボール位の大きさの狐だった。



真っ白…。



だけど尻尾の先と足の先は真っ暗…。



目も…真っ暗…。




「まさか…尾咲狐?」




尾咲狐は妖怪の中でも珍しくて、尾咲狐の血肉は妖怪の中でも不老不死になるとかならないとかで、絶滅に追い込まれているって…。



だから、自分以外には決して心を開かないって言ってた。



言ってた…?



誰が言ってたんだったっけ…?





『雪莉は尾咲狐の様だな…』




『え?

私が…?

どうして?』




『珍しいところ…?』




『どうして疑問文?』