雪莉(side)
あれ…?
此処は…何処?
〝助けて〟
え?
…誰?
〝助けて……雪莉〟
どうして私の名前を?
あなたはどこにいるの…?
〝神芥町(kamikecyou)…。
……神芥学校……〟
神芥町?
あなたの名前は…?
〝そ…は…君がよ……ってる…〟
聞こえにくくなってる。
でもわかった。
それは君がよく知っているって…。
〝思い…出して…。
お願い…助けて…〟
っ!!
「待って!」
「うわぁ?!」
「あれ?
冬紀??」
此処は私の部屋??
「どうしたの?
急に飛び上がったら貧血で倒れるよ?」
「…うん」
もしかして看病しててくれたのかな?
ふぁ〜
眠いなぁ…。
最近寝不足なのかなぁ。
〝助けて〟
っ!!
助けないと…!
「冬紀、お願いがあるの…」
「??
なに?」
私は夢で見たことを話した。
ただの夢かもしれない…。
でも…!
「分かった…。
僕でいいの?」
コクン
私は頷きそのまま冬紀と神芥町に向かった。
季節は丁度真冬。
夜の冬はすごく寒くて琶音君の買ってくれた服にマフラーを着けて行った。