ユウ(side)



「いずれは帰らないといけない…」




その通りです。



僕達はいわゆるこの世界の秩序を乱す者…。



僕は輝がいるこの世界に残りたいとさえ思ってしまっています。



輝は僕の失くした兄と似ているから…。



でも、雪莉さんには本当兄なんです。



一度ならまだしも二度までも最愛の兄を失う事になってしまいます。




「…どう選ぶのか、どう思うのか、

それは俺たちが悩んでいても

仕方がないんじゃないのか?

記憶が戻るまで待てばいい…」




遥…。



遥って…、雪莉さんの事になると紳士(ナイト)になるんですよね。



でも、時には甘えてもいいんですよ?



遥…。



あなたが一番望んでいるのは雪莉さんと一緒にこれから先もずっといること。



我慢することがいいことではないんですよ?




「はぁ」




どうして僕の周りの人はみんなそんな人ばかりなのでしょう…。



でも、それが面白いんですよね…♪



僕はいわば遥達と出会う最近まで(と言っても何百年も前ですが)籠の中の鳥でした。



その中で学べる知識はたくさん頭に入っていますが外の世界のことは全然。



この人たちには驚かされてばかりです。