「…ん…っ…」
「目が覚めたか?」
「うん」
今はお化け屋敷から出て人目のつかない様にSCの外にあった大きな時計台の上に避難していた。
理由は一つ琶音の人間に化けていた妖力が切れて今本来の妖怪の姿だから。
琶音は見た目はおかしくないんだが、髪型や服装に少し問題があるからだ。
普通の人は髪の毛を水晶ビーズなどで止めたりはしないし、こんな巫女のような格好はしない。
「…妖怪…は…?」
「倒した…」
「そっか…。
また助けてもらっちゃったね…。
ありがと」
っ///
力なく優しく笑う雪莉はいつもと違い色っぽく目のやり場に困った。
「琶音…君は…大丈…夫…?」
「少し妖力が戻るのには時間が
かかるが命には別状はない」
「よか…った…」
「雪莉!」
雪莉は力なく最後に言った後倒れた。
おかしい…。
雪莉の妖力が見るからに減っている。
雪莉の妖力は元々は俺以上あったはず。
詰まり…雪莉の力が減って…?!
雪莉の体が弱っているということか?
…もし、桜九尾としての力が弱っているのだとしたら…。
…考えすぎならいいんだが…。