桜ノ雫 ~記憶編~

「じゃあ、遥が行きたいっていった

服屋さんにレッツゴー♪」




私が遥と琶音君の手を取って走り出した。




「雪莉ちゃん、は、速いよ…」




服屋さんの前でバテバテな琶音君。



速かったかな…?




「えーと、ごめんね…?」




「うんん!

それより遥は余裕だね〜♪」




「慣れているからな」




「慣れてるの?」




「あぁ…♪」




そう言いながら私に優しく笑いかけてくれた。



私はその笑顔少しドキッとして、そしてどこか懐かしい、そんな感情になった。




「雪莉ちゃ〜ん♪

これ着てみて♪」




「え?!」




琶音君が持ってきたのは露出度がすっごく高いワンピース…。



全体的に桜色で太ももまでのスカート丈からはレースが見えている。



見た目はすごくかわいくて着てみたいって思うけど…。




「やだ!」




「えーーー!

着てみたいって思わないんですか?」




「少しは思うけど…露出度が…。

それに似合わないよ…」




「似合います。

僕が保証するから!

だからお願い!!」




だって…。



うぅ…。




「…俺も、似合うと思う…」




遥まで…。



私は琶音君に背中を押されて試着室に入った。



こうなったら着るしかないよ…。