私達は老いを知らない。



妖が歳をとらないのと同じように…。



だけど私たち妖怪返りは十年に一度歳をとる。



でも私達も今は見た目十七歳で止まっている。



その当時の間私達は一歳と五年。



詰まり産まれて十五年。



肉体が成長しないように中身も子供のまま。



一歳の私達に母親をなくす辛さは耐えられなかった。



でもそれだけじゃなかった。



…お父さんはお母さんが亡くなった後すぐ酒呑童子の《肉体》を封印した。



お父さんの力では命を使っても肉体が精一杯だった。



酒呑童子は京の町の一部もめちゃめちゃにした。



だから村人は怒りに狂って私達の二人に襲いかかってきた。



山の上に住む私達が居るせいで酒呑童子がきたって、そう怒って私達を消そうと陰陽師達がたくさん来た。



私達は大雨の中の森の奥へ飛び出した。



お母さんとお父さんは私達を守るために死んだ。



私達は無我夢中で走った。



繋いだ手を絶対に離さず逃げて逃げて逃げた。



そして私達は山の中のすごく大きな平地を見つけた。



そしてその平地にはある大きな桜が立っていた。



そして桜の周りには少し大きな池もあった。



桜は大きくて綺麗で何処か怪しく魅惑の桜。



でも、少しおかしいのは今は真冬なのに満開だって事。



風が吹いては花びらが池に落ち舷窓的で綺麗だった。



でも、桜は散る様子がなかった。