「氷虎のこと知ってる…。
真っ白な純白の毛並みを持っていて
そして氷虎の歩いた道には
どんなに暑い真夏でも決して溶ける
ことのない氷が残っていた。
でも氷虎はその毛並みの美しさ故に人に
絶滅に追い込まれた」
「雪莉、どうして詳しいの?」
「え?!
…どうしてだろう」
どうして知ってるのかな…?
初めて聞く名前のはずなのに。
「……」
「冬紀…?
どうかしましたか?」
「…うんん」
「次は俺だな…。
俺は桶鬼遥。
…遥と呼んでくれれば助かる」
ゆっくりと立ち上がって妖怪返りの姿になった。
その時の姿は本当に三人とも綺麗としか言いようがなかった。
でも、遥さんの姿を見た時助けてもらった時の出来事が頭によぎった。
真っ黒な耳と尻尾。
それについになるような少し黒めの藍色の髪は肩につくかつかないくらいまで長くて…。
少しだけ闇を帯びている空色の目は凛としてる。
それに凄く美男だと言える。
「黒狐の妖怪返りだ。
…今で言う銀狐…だとおもう。
タイプは…闇。
よろしく…♪」
闇…。