私の足元に桜花陣が出来た。
「貴方がこうなってしまったのは私の
せいでもある…。
だからあなたを私の持てる力の
すべてを使い助けます…!
……永久に願いしこの想い…。
届いて…私の想い……」
私はそっと魔犬の頬に手を伸ばした。
魔犬は私の手が触れると唸るのをやめ、体制を低くした。
頭に流れてきたのはこの魔犬の過去。
この魔犬は人と妖怪が共に暮らしていた時代からずっと生きていた。
土地の守り神として。
でも、時代が進むにつれ妖怪は人々から魔者扱いをされ隠れ住むようになった。
するともう何年かした時、作物がとれないのを村人はこの魔犬のせいにしてこの魔犬を痛めつけた。
その恨みが募って魔犬になった。
私がこの能力を使うとき目が少し変わる。
自分のはあまりよくわからないけど、
輝の場合で言うと綺麗な紫がかった桜色は変わらないんだけど、月の輪みたいなのが目に入って、それでその目は自らが輝いている。
多分私もそんな感じだと思う。
でも、見られたくないから前髪で隠す。
「…辛かった。
悲しかった。
…悔しかった。
大好きだったからそれほど恨みが
強くなってしまった。
あなたは人が大好きだったから…。
作物が育つように命まで削って…
身を呈して人を助けたいって思った…」
頬に涙が流れた。
