桜ノ雫 ~記憶編~

そしてそのまま私達がサッとその場を退くと後ろで待っていた黒狐の人達にバトンタッチをした。




「喋り方も忘れちゃった?」




「あなたが陰狼の式である限り

僕等にとっては敵です。

いい加減諦めたらどうです?」




続いて白い髪の人が刀を持って正面から突っ込んだ。



その刀は魔犬の腕によって止められた。



その行動を待っていたかのように鳥の人が短刀の刃を小指の方になるように持って腕を払いのけた。



そして黒狐の人がその腕を斬りつけた。




「凄い…」





〝グウォオオオオ〟




「輝!!」




「了解!」




今度は輝が魔犬の隙が空いたところに回り込み




「大地に眠りし雷雨の神よ…。

大地に住まう魔が者を縛れ!

…雷神!」




呪文を唱えた。



すると魔犬の下に魔法陣ができそこから雷が出て魔犬を縛った。




「雪莉♪

後は頼んだよ♪」




輝の後ろに隠れていた私に輝がバトンタッチした。




「うん!」




輝が時間を稼いでくれたおかげてこっちも用意ができた。




「私には式であるあなたの気持ち、

わかりません…。

でも、その苦しみを取ってあげる

ことはできる…」