『輝、雪莉。
…この世界にはね
《人》《動物》《植物》そして
《妖》がいるの』
『アヤカシ??』
『それって妖怪の事?』
『そう♪
妖怪は昔からイタズラばっかりして
困った生き物なの』
『でも、いいアヤカシも
たくさんいるよ?』
『そうね。
でも、そのことを知らない人は
妖怪全てが《悪》だと思っているの』
『悪??』
『悪者ってことだよ!』
『そう♪
輝は良く知ってるわね♪』
『えへへへ♪』
『二人はお互いの事好き?』
『『 うん!! 』』
『ふふ♪
心配ないみたいね♪
…じゃあ本題に入るね。
雪莉、輝。
これから先あなた達には
簡単に超えられない大きな壁が来る。
それは運命といってもいいくらいのね。
でも、諦めないで、
…信じることをやめないで』
『お母さん…急にどうしたの?』
『いつもと変…』
『…そう?
ふふ♪
まぁ…、あなた達なら心配
ないと思うけどね♪』
お母さんの笑顔を見たのはこれが最後だった。
お母さんは私達を殺そうとした酒呑童子に私たちを守るために身代わりになって死んだ。
大好きだったお母さん…。
何もできなかった私。
ただ悲しくて悲しくて泣いた。
『俺が雪莉を守るから、
もぅ、泣かないで…。
きっと守るから…』
でも、それは兄である輝の優しさに触れた時でもあった。