桜ノ雫 ~記憶編~

私は溜まった涙を拭うと私の本当の姿へ姿を変えた。



桜をモチーフにした遊女が着るような、美しい着物を遊女の様に気付けていて、それに見合う羽織に袖を通している。



帯はリボンのように前で結んである。



そして九本の尻尾。




「永久に願いしこの願い。

桜九尾の名において貴方を治します」




〝それ〜。

今じゃ〜!〟




フクロウの妖怪の合図で周りにいるたくさんの妖怪が私に妖力を送ってくれた。



妖怪はね、怖いのもしいるし人を恨んでいるものもいる。



でも、そんな妖怪ばかりじゃないんだよ。



誰かが困っていたりした時は理由も聞かないで助けてくれる妖怪も沢山いる。



私はやっとそれに気づくことができたの…。




「お願い!

目を開けて…遥!」




遥…?



私は自分の口にした言葉に少し驚いた。



でも直ぐに黒狐の人に手をかざして全ての傷を治した。




「…っ……!」




治しきる前に黒狐の人は少し目を開けた




「…雪…っ。

その姿は…桜九尾の…」




〝これ!

無礼だぞ!〟




〝そーだそーだ!

この方は姫であるぞ!〟




治った…♪