陰狼は大きな唐傘をとじると冷たくあざ笑うかのように笑いながら




「どこのどなたか存じませんが

私の邪魔をするのでしたら容赦は

しませんよ?」




陰狼は大きなフード付きの上着の内ポケットから三枚の札を出した。



陰狼のポケットは次元ポケットになっていて札が無限と出てくる。



後ろのフードからは妖刀もでてくる。




「っクックック。

今日のところは見逃してあげましょう。

面白いものが見れたのでね。

一つ良い事を教えて差し上げましょう。

先ほど私はあの桜白狐の子に

術をかけました。

足を動かなくするためのね」




っ!!




「術をといてください!」




「すぐにとけますよ。

じゃあ私は帰りますので…。

あの桜白狐…。

いつか手に入れたいですね(ボソッ)」




っ雪莉を…手に入れる?!



不気味に笑った陰狼は最後にそう言うと闇に消えていった。




「っうぁあ…!」




雪莉の悲鳴…?!



俺たちは視線を雪莉の方に向けた。



そこには陰狼の式、魔犬に投げ飛ばされた雪莉がいた。



そして雪莉の腕に食いついた。



雪莉は痛みをこらえているんだろう。



目をぎゅっと瞑り痛みをこらえていた。