優希(side)



頭がくらくらする。



っ。



急がないと輝が死ぬっ。



俺は急いで場所の地図を描いてみんなへ送った。



輝が死んだから意味がない。



どんな結末になっても輝は必要なんだ。



輝はとっくに死ぬ覚悟できてるのかもしれない。



でも、そんな覚悟必要ない。



一発しばいてやろうかな…。



というか俺気絶させられたよね。



最後の輝の顔がどうしても頭から離れない。



どうして泣くの?



泣くなら…泣くぐらいなら自分を殺そうとしないでよ…。



気がつけば俺の頭の中はそんな事を考えていた。



俺は辺りを警戒しながら陰狼の家に踏み込んだ。



勿論妖怪返りの姿で。



不意に右手の甲にある桜の紋様が目に入った。



薄い…。



こっちも危ない…か。



雪莉…もう俺も次はないよ。



だからせめてもう何も望まないで…。



こんな事言ったらダメなのかもしれないけどさ…もう限界なんだ。



精神的にも体力的にも全体的に限界なんだ。