桜ノ雫 ~記憶編~

「一つ言うよ。

二人は裏切り者な訳じゃないよ」




「分かってるよ。

でも俺は陰狼は大嫌いだから。

大嫌いなんかの言葉では

収まらないくらいね」




「…知ってる」




「っ!?」




どうして知ってるの?



二人に聞いた?



…いや。



輝はそんなことしない…。



だとしたら考えは嫌でも一つにまとまる。




「…まったく。

何処まで思い出したの…」




「…全部って言ったでしょ?」




悲しい笑みを浮かべた輝の目には少しだけ涙が浮かんでいた。



全部…か。




「さぁ、行こう。

陰狼の屋敷に。

優希、ユウや雪莉たちに

地図送らなくてもいいよ」




「っ?!

…それはどういう事?」




「これ以上みんなを苦しませない。

特に優希にはね」




っ!!



次の瞬間目の前が真っ白になった。



最後に見たのは輝の泣き顔だった。