桜ノ雫 ~記憶編~



…。




「ねぇ、琶音と琴音は?」




「琶音と琴音?」




「そう。

二人は陰狼の過去を調べる係。

詰まり今どこ?」




俺の考えが正しければあそこだろうけどまだ確信と証拠がない。



だから輝がこのことを知っているのかどうかを確かめる。




「琶音と琴音なら陰狼の所だよ…」




やっぱり。




「何故かはもうわかってるんでしょ?」




「まぁね」




全ての話しをまとめるには後一人俺みたいな《役者》が必要だ。



これも少し考えれば簡単。



琶音と琴音は自分たちが《座敷童子》と嘘をついてきたけど二人は本当は《麒麟》という神獣。



それも双子のね。



俺をこの世界へ呼んだのも二人で雪莉を飛ばしたのも二人、そして陰狼と遥たちを送ったのも二人。



陰狼がここに来るには条件が足りなかった。



陰狼はもといその付近には《時空渡り》ができる妖がいなかったこと。



でも琶音と琴音ならできる。



二人が陰狼に肩入れする理由はわからないけど。



…嘘。



できれば考えたくも知りたくもない。