「…この世界にも陰狼がいると
いうことか?」
「考えたくないけど多分…
そうなんじゃないかな」
俺達は雪莉に気づかれない程度のところに隠れて雪莉達の様子を伺う事にした。
雪莉は場の状況からだが琶音を治すこたにしたらしい。
琶音と琴音は双子の守り神だ。
だが、それは《元の世界》ではの話で今のこの世界には咲耶という者が守り神をしているらしい。
琶音と琴音は元々は俺たちと同じ世界から来た。
雪莉が死んだ後、琶音が一早く雪莉の転生された世界を見つけ出したので雪莉達の様子を見ていてもらっていた。
「まずいよ。
このままだと雪莉…」
っ!!
俺はやっと気づいた。
雪莉があれほどの傷を治すと妖力を大量を使ってしまい体に負担が大きくかかること。
「待ってください…!
今の遥が雪莉さんの目の前に
行くときっと、動揺するだけです」
雪莉の元へ行こうとした俺の裾をユウが握り止めた。
「それに…」
「…それに…?
どうかしましたか?」
「「「 っ!! 」」」
俺達三人は耳とそして目を疑った。
目の前に居たのは誰でもない陰狼だったからだ。
忘れるはずがない。
闇のように黒い髪。
そして隠れていない方の目は妖怪への恨みが詰まりに詰まった真っ黒い目。