桜ノ雫 ~記憶編~



「今日は一番ひどかった…。

僕らが見回りに出る前に

陰狼、呼吸困難を起こした」




「え?」




「陰狼この世界の人じゃない…。

だから身体に負担が掛かった」




「急がないと陰狼も死んじゃう…」




二人は一生懸命話した。



どれだけ陰狼のことが好きなのか凄く伝わった。



でも、俺はどう転んだとしても陰狼を好きにはならない。



もう嫌なんだ…。



みんなが何度も何度も繰り返し殺されるのを見るのは。



例えばそれが俺のただの言い訳なだとしてもね。



…待って。



さっきあの子、陰狼《も》って言わなかった?




「陰狼もってどういうこと?」




「呪縛式は永遠じゃない。

陰狼の式ほとんど呪縛式なの。

呪縛式は長い間掛ってると

死んでしまう」




「「 っ! 」」




そっか…。



そうだったんだ。



だからあの時の輝は…っ。




「俺たちは陰狼を倒すよ。

…でも、二人の願いはちゃんと

聞き届けたから」