桜ノ雫 ~記憶編~


「陰狼を…。

…陰狼を…助けて…!」




女の子はそう泣き叫んだ。



そして涙を絶え間なく流し始めた。



陰狼を…助けて…?



どういう事…?




「陰狼今おかしいの…。

毎晩夢を見ると泣いてるの」




…あ。



それ俺のせいだ…。



術をかけられる前に俺も陰狼に術をかけた…。



相手が一番見たくない夢を見るように。



でも見たくない夢は一番見たい夢なんだ。



陰狼がそれを見て涙を流すのはその夢に気持ちが入ってしまったから。




「それに急に苦しみだすんだ。

僕らの顔を見たら悲しい顔をして

『もうダメなんだ』って」




…ん?



それは俺じゃない…。



なら一体誰が…。



でもおかしいな…。



こんな世界俺はまだ《知らない》。



今回はおかしすぎる。



陰狼がこの世界にいるのは想定内。



でも、この世界では一からじゃなくて続きからになってる…。