桜ノ雫 ~記憶編~

「躬如…あんたは何者だ?」




千年桜を背にして俺は躬如にそう問いかけた。




「純血な妖とて

ここまで出来るはずがない」




雪莉を眠らせ、そして結界を作った。



それだけでも基準を超えるほどの力がある。




「兄さんこれだけは覚えておいて。

僕はこんななりでも堕ち神の一種。

一応は《神》という名目を

持ってるんだ。

それに僕はいい妖じゃないよ。

だから僕にあまり信じない方がいい」




そう言って悲しい目をした。



その姿は優希と重なった。



何故こんなにも優希と重なってしまうのだろう。




「…っ?!

誰かが陰狼の家に入ったっ!」




「っ?

優希と輝たちが…?

メモは届いたか?」




家の場所を描くと言っていた。




「まだ届いてないよ。

…ねぇ。

『優希』って…」




躬如がそう言いかけた時だった。




ドォンッ!!



陰狼の家の方から大きな何かが落ちる音がした。