っ?!
「…知らなかったの?」
「アレ?」という顔をして首を傾げた躬如だったが俺はそれどころではなかっな。
俺は知らず知らずのうちに陰狼の家へと近づいていた…。
「偶然にしては出来すぎている…」
「…偶然なんてこの世には
一つも無いと僕は思うよ。
もしも僕が遥兄さんや雪莉姉さんと
出会えた事を全て《偶然》で
片づけてしまえば
楽なのかもしれない。
でもそれじゃ何も始まらない」
何故だろう。
優希と躬如が時々重なってしまうのは…。
「姉さんは僕らの最後の切り札だから
僕がこの命を懸けて守る。
だから、僕のお願い忘れないでね」
「み…こと……?」
躬如が雪莉の額に触れた時だった。
雪莉の瞼が静かに閉じ雪莉は死んだように眠った。
そして躬如が何かを唱えると雪莉は菫色のボールの中に入り千年桜の中に消えた。
いや、正しくは咲き乱れる花々の中に入って見えなくなった。
