ドクン。ドクン。
まただ…!
いつもそうだ、いつもいつも後少しの所で救えない。
俺は心臓が握りつぶされるような感覚に追われた。
〝殺セ。
今ナラソイツヲ倒スコトナド用意ダ〟
煩いっ。
「っ?
ちょっと待って何かおかしい。
遥兄さんストップ!!」
躬如はそんな俺見てそのまま押し倒した。
「っ?!」
「遥兄さん今何考えてた?」
「はぁ、はぁ…。
別に…何も考えていない」
「……」
躬如は静かに俺の側を離れた。
「すまない…。
隠し続けなければならないんだ…」
「分かってるよ。
遥兄さん不器用そうで
ちゃんとしてるって
雪莉姉さん言ってたから」
それはそれで少し間違ってるが…。
…それより、俺がこれ以上妖力を失い不安定な状態になると酒呑童子に乗っ取られる。
だとしたら…。
??
「カレン…?」
俺は一度考えるのをやめ先程から見当たらないカレンを呼んだ。