桜の木を廻った妖力は桜の木の妖力を貰うということか。
一つ問題なのは…。
「俺の妖力は酒呑童子の血が
混ざっている。
それは何の影響もないのか?」
「っ?!」
躬如は驚いた顔をした。
カレンもしばらく悩んだ後
〝大丈夫〟
と言った。
…ならいいのだが。
俺は雪莉を桜の木にもたれ掛けさせた。
熱があるのか…?
青白い顔とは裏腹に頬は赤く染まり息も荒かった。
…やはり妙だ。
だが何がかが分からない。
〝遥さん!〟
俺は考えていたことを一旦消し、桜の木に手を当てた。
桜の木に妖力を送った。
不思議な感じだ…。
吸いつくされるわけじゃなくただ無駄な部分を吸い取ってくれているそんな感じがする。
妖力は暫くすると俺の元に流れてきた。
俺はその妖力を雪莉に流した。
雪莉の周りが淡く光りだした。
安心とともに疲労に襲われた。
この妖力の継ぎ足し方は俺自体がかなりの妖力を消費する…。
っ!