桜ノ雫 ~記憶編~

陰狼(side)




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これは夢。



最近よく見るあの夢…。




『兄さん♪』



幼子がいつものように家に帰ってきた。



幼子…詰まりそれが小さい頃の私。



手にはついさっき木で作ったばかりの烏のお面を持っていた。




『兄さん?』




いつまでたっても返事がこない事に不信感を持っち私は家を見回った。



しかし家の中には誰もいなかった。



家の人達や式達とすれ違わなかった。




『お父さん、お母さん!』




おかしい…。



幼い頃の私でも、そう思うまでそう時間はかからなかった。




『…みんな何処行ったの?』




そう呟いた時自分の影から二つの影が飛び出した。




『ここ、血の匂いがする…』




『凄く凄く強い匂いがする。

大勢の人の血の匂い』




焦った。



もしかしたらもうお母さんとお父さんは…。



そう考えてしまったから。



二人が一番血の匂いが強いという所の部屋の前に着いた。



静かに障子を開けた。



っ!!




『酷い』




『一人二人じゃないね』




『たくさん。

恐らくこの家にいた人全て…』




『人の仕業じゃないね』