突然ユウが林の中に向かって声をかけた。
本当だ…。
誰かいる。
僕は気配を読むのがあまり上手じゃないんだ。
「出てこないと凍らすよ?」
「冬紀それはダメです」
「分かってるよ…。
そうさせないためにも
自分から出てきてほしいんだけど…」
少し時間が経つと林の中から黒い翼の天狗がでてきた。
「っ!!
あなたは烏天狗ですか?」
ユウは少し興奮した様子で目を輝かせた。
烏天狗と言えば妖怪世界の警察…。
「すいません。
驚かせるつもりはなかったんです…」
「僕たちもすいませんでした」
目の前に出てきたのは綺麗な薄い桃色の髪を後ろで束ねて頭の横側に木でてきた烏のお面を着けた綺麗な人だった。
「君は何で此処に?
君、妖怪だよね?
僕らの邪魔をしようってつもりなら
僕は手加減しないよ」
「あなた方が結界の札を
壊してくれたおかげで祠から
出られたんです」
烏天狗の人は林の奥にある祠を指差してそう説明した。
…辻褄は合ってる。
でも…。
「私の事は信じなくてもいいですよ。
私はあなた方の味方でもなければ
敵でもありません。
都合が悪くなればあなた方を
殺してしまうかもしれませんから…」
