〝落ち着いて!!
まだ消えてない!〟
影から出てきたカレンは俺の前に立ってそう怒鳴った。
〝雪莉ちゃんはまだいる!〟
「…その狐」
そう呟いた躬如の声も聞こえなくなるほどカレンは大きな声だった。
〝ここから数キロ先に泉があった。
其処には桜の木があった。
普通の桜の木だけど雪莉ちゃんの
命を永らえさせるには充分の桜の木よ〟
俺は頭を振り気を引き締め雪莉を抱えた。
「カレン頼む」
〝うん〟
カレンは俺の前にでて走る準備をした。
「遥兄さん待って。
遥兄さんの早さじゃ限りがあるよ」
「分かっている。
だが…」
「話しは最後まで聞くものだよ?
僕が二人を乗せる。
遥兄さんと雪莉姉さんを」
「乗せる…?」
躬如は目を閉じた。
すると躬如の周りに追い風が舞い始め、落ち葉が躬如の周りを舞い始めた。
その舞が終わった時躬如の姿は髪の毛と同じ灰色の毛で全身を覆われ薄めの黄色い目を持つ犬になっていた。
大きさは簡単に言えば馬ほどあった。
「僕は《犬神》。
他の血なんて混ざってない純血な
犬神の血が流れてる。
…勿論首だって取れるよ。
エグいけど…。
そんなことより早く乗って!」
俺は頭を下げ躬如の背中に雪莉と二人で乗った。
