躬如は静かに首を振った。
「僕にもそれは分からない…。
あの日…家の火の海の中で兄さんは
姿を消したんだ…」
姿を消した…?
手掛かりがないと探す事も出来ない。
っ!
「烏天狗が身につけていたもの
何でもいい。
何か持っていないか?」
「え!?
えっと…確かあの日、
兄さんが暴れる前に陰狼に
勾玉と水晶とカラスの羽でできた
ネックレスをあげてたけど…」
「陰狼が持っているのか…。
いや、もしかしたら
もうないのかもしれない…」
「急にどうしたの?」
「あぁ…。
少しな…」
雪莉の力なら烏天狗が何を考え何処に今いるのかが分かるのだが…。
ダメか…。
「ねぇ。
遥兄さん…」
「どうした?」
「雪莉姉さん一向に
起きる気配が無いよ?
それに…」
「っ!!
雪莉!雪莉!」
俺は雪莉を起こそうと肩を揺すってみた。
でも雪莉は全く起きる様子がなかった。
全身から血の気が引いた。
「雪莉…?」
