桜ノ雫 ~記憶編~




一度裏切った烏天狗を…?



何故…?



どういう事なのか聞こうと《桜九尾》の方に向き帰った時だった。



《桜九尾》はもう抜けて雪莉が倒れかけていた。



っ!?



俺は慌てて抱き寄せた。




「もう少しましな出方はないのか…?」




小さく愚痴をこぼすと何故かため息が出た。




「遥兄さん…」




「??

どうした…?」




「本当は烏天狗の話には

まだ続きがあるんだ…」




「続き…?」




「そう。

兄さんは恨まれ役をわざと買った…」




「わざと…?」




「陰狼は僕達式神を愛してくれた。

でも、人とは一切接しなくなった。

兄さんはそれを恐れたんだ…。

陰狼は人間。

なのに僕達ばかりと心を深めて

人とは距離を開けていく。

それじゃダメだと…」




人は人と生きるように出来ている。



将来困らないために…か。




「その烏天狗は今何処に?」