「そうだよ?
…雪莉姉さんと遥兄さんを
信じるよ。
元々僕の呪縛解いてくれたみたいだし」
…あ。
そう言えば…。
「躬如呪縛を解くまで
喋らなかったよね?
まさか額の水晶が躬如の
言霊を縛っていたの?」
「御名答〜♪
順を追って説明をするね。
…これでも僕昔はちゃんとした
式神だったんだ」
躬如は少しずつ話し始めた。
「僕は陰狼の家に仕えていたんだ。
昔の陰狼は妖怪が大好きだった」
「「 っ?! 」」
嘘…。
だってあんなにっ。
「陰狼には産まれた時から側に
三人の式がいた。
さっきの僕の様に呪縛縛りの式ではなく
ちゃんと契約を交わした式神がね。
その内一人は烏天狗だった。
そしてもう二人はカイコ狐」
「カイコ狐?」
「そう。
通称憑き狐。
主人の命令に絶対従う。
でもその代わり
三日三晩食べ物を与えなければ
カイコ狐は主人を食べないといけない。
カイコ狐は絶対主人を殺さない。
でも掟だから従わなくてはならない」
悲しいジレンマ…。
たとえそれが掟だとしても悲しすぎる。
「だからカイコ狐は他人とは
あまり契約を交わさない。
主殺しなんて悲しい事
絶対にしたくないからね…」
