遥も雰囲気でそう思ったのか少し驚いている。




「私は狐桜 雪莉です」




「…桶鬼 遥だ」




「へぇ…。

僕は犬神 躬如(inugami mikoto)。

躬如でいい。

…それで、そこにいるのは?」




躬如さんは私の影を指差した。



気配消しているのにどうして分かったの?




「…それより」




遥は質問する躬如さんを放って置いて話を続けた。




「あんたは敵か味方かどちらだ?

陰狼の式でいて長いのだろう?」




「…長いけど記憶はからっきしだよ」





「…からっきし?

何故記憶がないんだ?」




「…ッム。

質問攻めだね。

何コレ、拷問?

言葉の拷問デスカ?」




あ、ぐれちゃった…。



遥があからさま困った顔してる…。



えっと…こういう時は…。




「…み、躬如さん。

遥はすこし言葉足らずでしかも

口下手だからきつく

聞こえちゃうかもしれないけど

すっごく優しい人だから

拷問なんて絶対にしないよ」




「っ///

雪莉それは褒めているのか

貶しているのか分からないっ///」




「雪莉さんが言うなら信じるよ!

因みに僕は雪莉さんより歳下だから

《さん》はいらないよ?」




歳下?!



大人っぽいから歳上かと…。



…でもよく見たらまだ子供の顔してる。




「私も《さん》はいらないよ」




「じゃあ雪莉姉さん♪

後、遥兄さん♪」




「俺もか?!」