遥の言った通りノイズが掛かり画面には砂嵐が出来てとても見れる状態ではなくなった。



私は鏡を消した。



「誰かが見れなくした…」



「…恐らく陰狼だ。

見られるとまずいという事か。

…もしくは」




「…見られたくない過去」




「きっと陰狼が妖嫌いになった

原因となる出来事が映ったんだ」




「原因となる出来事…」




火の海の中一人取り残された陰狼は何を思ったのかな?



妖嫌いになるきっかけの出来事なのならあの火の海を作ったのは妖の仕業…。



言葉が出ない…。



《酷い》なんて言葉絶対口にできない。



これをやったのは私の中にも流れている妖だから。



他人行儀じゃないんだ。




「…ぅう」




「「 っ!!? 」」




いろいろな思考が回っている時犬神から呻き声が聞こえた。



私と遥は距離をとって身構えた。



カレンはまた私の影に入った。




「……?」




犬神は体を起こすと辺りをキョロキョロ見渡した。



そして私たちの顔を見ると首を傾げた。




「…誰?」




「「 …… 」」




なんだか雰囲気が全然違う…。



無口でクールなのかなって思ったんだけど…。