「…」
多分、わざとだろうな…。
その証拠に無表情だった顔が少しだけ嬉しそうに見えるから。
「…それぐらい避けれるだろう?」
「当たり前だよ!
と言うより君、調子乗りすぎ!
頭冷やしなよ!
全てを冷たく閉ざしてしまえ。
凍りつけ!絶対零度!」
そう唱えた瞬間白い髪の人は振袖をバッと降った。
するとその振袖から大雪が出てきて魔犬の体を凍らした。
「まったく。
これじゃあ標本だね」
パリッ
氷が割れる。
嘘、気付いていない…?!
どうしよう…!!
バリンッ!!
「どうして?!
僕の氷が割れるなんて…。
っ間に合わない…!!」
「冬紀!!」
攻撃体制でなかった白い髪の人は振り向くので精一杯。
っ!!
「桜花陣…!!」
私は考えるより先に白い髪の人に手を遠くからかざしていた。
桜花陣は白い髪の人の足元にできて半円を作り結界を作った。
結界は魔犬から白い髪の人を守ると花びらのように散って消えた。
私は結界を作った反動で黒い狐の人から落ちた。
落ちようとしたところが悪かった。
私達が戦っていた場所は町外れの崖。
景色がいいからと昼間は人が集まる場所だけど夜は神隠しにあう場所として恐れられている。
私が落ちようとしている場所はちょうどガードレールのない場所だった。