〝…分かった。

もぅ、遥さんと冬紀さんを

泣かさないでね〟




「…うん?

冬紀は知ってるけど

…遥は泣いてないよ?」




〝…あ〟




カレンはしまったという顔をして




〝じゃ、じゃあ遥さんを

すぐ呼んでくるね!〟




と誤魔化して逃げた。



私もグズグズしてたら死んじゃう。



犬神が攻撃をまた仕掛けはじめた。



私も妖怪返りの姿へ変幻した。



これで少しは動きやすいはず。




「…リング」




今度のリングはフラフープぐらいの大きさにして作った。



作っている間は動けない。



意識が外れて壊れてしまうから。



それを知ってか否か犬神は攻撃の手を休めなかった。




「っ!」




何度か体を攻撃が掠めた。



犬神はこれで最後というふうに私の目の前に来て攻撃を仕掛ける。



…掛かった。



私はその一瞬の隙を狙ってリングを放った。




「…っ」




リングは犬神の足元で陣になった。



そして犬神の両手首を拘束し動きを奪った。



そしてそのまま犬神のおでこのところに手を当てて催眠術をかけた。



犬神は何度か抵抗した後陣の中で倒れた。




「凄く怪我しちゃった。

カレンに怒られそう…」




そういえばおでこにてを当てた時気がついたんだけど…。



犬神の前髪で隠れているおでこに何かついてる。



寝ている犬神の前髪を上げた。



…やっぱり。