桜ノ雫 ~記憶編~




遥に綺麗な目って言ってもらえて、もう過去に囚われなくてもいいんだって教えてもらってはじめてこの目を好きになった。




「雪莉?」



「うんん」



またみんなで幸せに暮らせる日を取り戻そう。



その為に私は闘い続ける。



ドンッ…


ドンッ…



足音が近づいて来てる。



相手はこっちの気配に気づいてるってこと?



そんなはずはない。



気配は完璧に消してる…。



じゃあなんでこんなに明確にこちら側に来ているの?



その時私の目に細い光の糸が映った。



糸…?



っ!!



その糸は私へと続いていた。



そしてもう端は…。




「どうした?」




「…糸が」




「糸…?」




「多分陰狼2最後に

触れられた時だと思う…。

私の腕に術式の糸があるの…。

山神様はこれを辿って

私のところへ来てる…」




「…その糸は切れるのか?」




「多分…。

でもすぐそこまで山神様が来てるの。

大きさは私たちのいるこの木と

同じ大きさの山神様が…」




「デカイな…。

…大丈夫だ。

俺がなんとかする」




「どうやって…?」