「山神ならあんたの気配を

すぐに見つけられるわけだ…」




「力を欲しているから?」




「…あぁ」




すると雪莉は悲しそうな顔をした。




「…大丈夫だ。

だからそんな顔するな」




「え…?」




俺は雪莉を高い木の上に抱いて上がった。



「山神の大きさはわかるか?」




「多分《見たら》分かると思う」




「高さは足りるか?」




「うん」




雪莉は静かに目を閉じた。