「…でも」




「雪莉がいつも笑顔でいてくれたから

辛い時苦しい時は乗り越えれた。

俺たちが大きな怪我をした時

すぐに治してくれた。

だから…自分を責めるな。

さっきも言ったがこれは

元々俺の背負うべき業だ…」




本当はここではもう雪莉の手を握ることも話すこともできなかった。



俺は酒呑童子を抑えきれなかったら死ぬはずだった定めだ…。



雪莉の酒呑童子との関係が運命を変えた。



運命を変えた対価はこの先酒呑童子が俺から消えるまでの間の地獄の苦痛。



生き地獄とも言っていた。




「大丈夫だ。

俺は絶対に酒呑童子には負けない」




俺は雪莉の側に行った。




「俺は絶対に…

雪莉の前から消えたりしない…。

約束した…」




俺は雪莉を安心させたくて小さく笑うと小指を出した。




「…うん」





その時輝が死んだ時の映像が頭に流れた。



大雨に打たれながら光となっていく血塗れの輝に縋り付く雪莉の姿が…。




『輝!!輝!!

ダメだよ死んじゃ!!

約束したのに…!

ずっと一緒にいるって…輝!!』




っ!



雪莉は一度輝に約束を破られた…。



無責任すぎた…。