「遥起きて…!
遥っ!」
俺はそこで目が覚めた。
夢…だったのか?
だが雪莉やみんなを斬る時の感触は生々しく手に染み付いている。
「遥っ!」
「っ!?」
俺は驚いて隣の雪莉を見た。
「起こしてごめんね。
でも普通じゃないくらい何かに怯えて
うなされていたから。
…どうしたの?」
怯えて…いた…。
夢の映像が頭の中にフラッシュバックした。
「遥?」
「…すまない。
ただの夢だ…。
…大丈夫」
「そっか…」
さっきの『すまない』には話せないという意味も含んでいる。
雪莉の能力を使えば俺の心のことなんてすぐに分かるだろうけど雪莉絶対にしない。
「…ありがとう」
「ん?
どうしたの?」
「…いいや」
何も知らないという顔をしてキョトンとしているが気を使ってくれているということが少し嬉しかった。
〝…コロ……セ〟
っ?!
突然頭の中に低い声が響いた。
〝…桜九尾ヲコロセ〟
っ!!
頭が痛いっ。
「っ!!」
「遥…?
っ遥!!」
雪莉は俺の異変に気付いて受け支えてくれた。
〝コロセ…。
全テコロシテシマエ〟