雨が強く降る中俺は目の前の光景に息を飲んだ。
俺の手にはべっとりと血が付いている。
でもそれは一滴も俺の血ではない。
目の前には俺に斬られ倒れて未だに血が止まらない雪莉の遺体。
その奥で既に息絶え少しずつ光の粒へと化している冬紀やユウ、優希達。
「っ…」
何がどうなっているのかわからなかった。
おそらく…いや確実に俺がこの手で殺したんだ。
雪莉っ。
冬紀、ユウ、優希っ。
これが業か…。
俺は俺の手でみんなを殺したんだ…。
大雨の中俺はただ刀を握り立ち尽くしていた。
また俺は誰も救えない。
それどころか…。
本当の敵は陰狼ではなく俺だったんだ。
俺はただ雪莉とみんなと静かに暮らしたかっただけなんだ。
それなのに何故。
何故なんだ…。