はじめに目に入ったのは漆黒の尾。
そしてふわっと私の体が宙に浮いた。
私はその人に抱き上げてもらっていた。
そっと上を向くと千年桜で見たキレイに整ったかっこいい顔の男の顔があった。
「…大丈夫か?」
「君って相変わらず危なっかしいね」
「間に合って本当によかったです…」
こんな状況なのに暗くなりゆく夕日に照らされた三人がかっこよく見えた。
「っ!!」
急に腕に痛みが…。
「さーて♪
チャチャッと片付けちゃおうか♪」
「…そうだな。
ユウはあっちの二匹の手伝い。
冬紀はこっちの三匹のやつ…。
頼めるか?」
「当たり前♪」
「了解です♪」
「…降ろして。
このまま戦ったら私が邪魔になる…」
「…無理だ。
あんたは人の事より自分の事を
気にした方がいい」
でも…。
「泣きそうな顔をするな…。
俺達とてそれほどヤボじゃない…」
「来るよ!」
あれ?
襲ってくる魔犬達…。
一匹だけ…。
私の腕を噛んだ一匹だけの目が血のように真っ赤になってる…。
「…闇に眠りし闇夜の月よ。
全てを闇に沈み込め…闇景色」
そう唱えた瞬間、足元で渦を巻いていた闇が三匹の魔犬の所に広がった。
