『今度は』?
何か引っかかる…。
確か前にもこうやって輝に疑問を持ったはず…。
どうして輝は陰狼の事を知っているんだ?
どうして雪莉が倒れた時輝は全く驚かなかった?
微動だにしなかった。
前から知っていたという風に。
それに何か引っかかる…。
どうしてこの世界には…。
「そろそろ誤魔化せないか(ボソッ
…さぁ、
こんな世界の悪夢を終わらせよう!
次に月が満ちる時、
全てを終わらせよう…!」
輝は雪莉から離れ変幻しながらそう言う。
月明かりと輝の黄色の妖力が混ざり合いながら散った。
幻想的…。
その言葉が浮かんだ。
「行こう。
そして決して後ろを振り向かずに
前だけをちゃんと見て」
「うん。
…行ってきます」
そう言って俺達はその場を後にした。