桜ノ雫 ~記憶編~

遥(side)


一週間か…。



いや、悪い方へ考えると五日。



ここに俺が来た時雪莉の身体が少し透けて光の粒が見えた。



時間は待ってはくれない…か。



確かにその通りだな。



雪莉が消えるまで後一週間もないだろう。



詰まりこの一週間で全てが終わる。




「じゃあ作戦を決めよう」




「作戦…ですか?」



「そう。

琶音と琴音はでけるだけでいい。

陰狼に昔何があったのかを調べて」




「「 うん! 」」



「俺と雪莉と優希は

この近くにある神矢家本家を探す。

遥、ユウ、冬紀はこの森にある

陰狼が張っている結界と結界札

そして式とされた妖達の処理を」




神矢家本家がこの近くに!?




「この作戦を行っている時は

俺たち内部の接触も無しだよ。

だから次会うのは全てが終わった時。

本家の場所は優希に送ってもらう」




っ!



内部の接触は無し…。



今度はもう会えないかもしれない。



雪莉とはもう離れたくない。



でもこれは俺のワガママになる。




「私は…今は遥と離れたくない」