私はどうしても気になったから聞いてみた。
でも輝は誑かすばかりで教えてはくれなかった。
「雪莉!!
優希!!」
突然後ろから冬紀の声が聞こえた。
「冬紀!」
冬紀は私たちの方へ走ってきた。
遥も初めは輝がいたことに不思議がっていたけど直ぐに私の方を向いた。
「大丈夫か?」
「輝が助けてくれたから
私は大丈夫だよ」
「輝が…?」
「桜の木に手を当てて私に
妖力をくれたの」
「…そうか」
そう言った後遥は何かを考え込むように何もしゃべらなくなった。
「優希大丈夫ですか!?
僕がわかりますか!?」
ユウの声にふと我に帰った私は優希の方を見た。
「…ばか。
ちゃんと分かるよ…。
ユウに冬紀に遥でしょ?」
優希の言葉に三人は安心したような笑みを浮かべた。
「優希すまなかった…」
「うんん。
俺もごめん。
力が足りなかったから…。
突然の事で動揺しすぎた…」
え?
突然の事…?
「輝、俺はもう大丈夫だから。
早くこの世界から出ないと…」
「…うん。
そろそろ時間だね」
っ…。
そっかもう…。
