桜ノ雫 ~記憶編~

それから何分か経った時だった。



「っ…」




優希の手がピクリと動き目が薄く開いた。




「優希!」




輝が尽かさず声をかけた。



私はハッと優希の手の甲を見ると鎖の痣が消えていた。



それどころか桜の紋様が淡い桜色に戻っていた。




「…輝。

雪莉…」




まだ虚ろな目で優希は輝と私を見た。




「ひとまず安心みたいだね」




「うん」




私は九尾の変幻を解いた。



すると陣も消えた。




「…優希、私が分かる?」




「…うん。

狐桜雪莉…だよね」




「よかった…」




私は疲れと安堵でそのまま優希の上に倒れこんだ。




「雪莉!」




輝が直ぐに抱き起こしてくれたけど私も私で限界近くだった。



すると輝が桜の木に手を当てて




「雪莉だけは失ったらダメなんだ。

例えそれが俺との

…××…になるとしても…」




え…今なんて。



その後直ぐに体が楽になるのがわかった。



妖力が集まってきてる…。



気がつけば乱れていた息ももとに戻っていた。




「輝…さっき何て言ったの…?」