そんな…。
「ユウお願い!
すぐに優希の所に連れて行って!」
「はい!」
ユウの話によれば今は千年桜の下に寝かしているんだけど日に日に良くない状態になっているみたい。
多分陰狼が優希に呪いをかけた。
優希は記憶を操れる…たがら。
琶音と琴音の時空渡りのおかげですぐに優希の元へ行くことができた。
私は驚きを隠せなかった。
優希の体には鎖の黒い痣ができていたから。
「この鎖は《神縛り》。
どうして神縛りが優希の体に」
「鎖?」
ユウが不思議そうに顔を見てきた。
他のみんなも同じ顔をしていた。
つまりこの黒い痣が見えていない。
まずい…。
私にしか見えていないということはそれだけ強い呪詛…。
私はみんなに振り返った。
「一つお願いがあるの。
私が優希を治す間絶対に
ここには来ないで…。
この呪詛は移ってしまう物だから」
「分かりました」
「でも雪莉…。
…君は妖力が足りない。
記憶取り戻したならわかるでしょ?
今自分の体がどれほど危険な状態か」
「…分かってる。
でも、私しかできない事。
…大丈夫だよ冬紀」
私は冬紀の側に寄った。
