桜ノ雫 ~記憶編~

「…ゴホンッ」




「「 っ/// 」」



私達は慌てて飛び退いた。



木陰から出てきたのは冬紀を始めとするみんなだから。



見られた？！



っ///




「あの〜。

二人揃って同じ反応されると

少し困るんですけど…」




「まったく…」




っ///



二人の言葉でより顔が赤くなるのが私でもわかった。




「雪莉！」




輝は私を見つけるとすぐに抱きついて来た。



輝…。




「「 雪莉ちゃん… 」」




〝雪莉ちゃん！〟




そして琶音君と琴音ちゃんにカレンも私に抱きついてきた。



みんな…。



私は本当に自分勝手な人間だった…。



私はこんなに支えてくれる仲間がいるのに勝手に暴走して一人になろうとして。




「本当にごめんなさい」




「君にヒヤヒヤさせられるのは

もう慣れたよ。

今更だよ♪」




そう言ってくれた冬紀の目には涙が溜まっていた。




「雪莉…！

お願いがあります！

優希を助けてください！！」




っ！！



私はやっと気がついた。



ユウ、冬紀、輝、琶音君と琴音ちゃん、カレン、遥…。



優希がいない…。




「優希に何があったんだ？！」




「はい。

あの後倒れたんです。

陰狼の術だと思うのですが

僕たちには何もできないんです…！

今は千年桜の下にいますが

どんどん体調を崩しているんです…」