遥(side)
声が聞こえる…。
雪莉の声が。
〝帰ってきて…〟
…っと。
俺は…もう元には戻れない。
雪莉を守るにはこうするしかなかった。
〝…それは違う〟
っ?!
〝お前は残された者の想いを
考えた事があるのか?
自分が一番愛した相手を失うつらさは
お前が一番知っているだろう!〟
なら俺はあの時どうしたらよかったんだ!!
俺なりに一生懸命考えてこうした!
それは俺にはこんな事しかできないからだ!
〝本当にそう思うのか?〟
っ!
今となってはそうは思わない…。
あの時もっと俺自身が強くてもっと雪莉と和解していたらって思ってしまう。
だがもう遅いんだ。
〝今もう一度お前に
チャンスを与える事も出来る。
だがそれはすごく辛い。
今よりももっとだ。
悪く言えば生き地獄に
なるかもしれない…。
それでもお前はもう一度
戻りたいと思うか?〟
もし…戻れるのなら…。
雪莉に会えるのなら…。
戻りたい!!
〝その願いそして覚悟聞き届けた〟
